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SUENAGA Blog
二.志学観(4)
2016年8月29日
「志が人材育成の連鎖を生む」
筆者の所在近くに緒方洪庵の適塾があります。日本の若者が蘭学を志して競って学び寝食を共にした雰囲気が残ります。適塾では、毎週試験を行い、結果で講義の席が決まり、辞書を読む順番も、寝るところも決まったという凄まじさです。「福沢などは塾にいる期間、勉強につかれると夜昼なしにその場に倒れて眠り、さめると机に向かった。このため着のみ着のままで、枕と言うものを用いたことがないという」(司馬遼太郎『花神』新潮文庫、福沢とは福沢諭吉のこと)。
志を立てて学ぶとは生易しいことではなく主体性に尽きます。人材育成で、育てる人自身が志を確立して育成することは、大きな影響力になります。その影響力の下で育った人材は必ず次の人材を育てるでしょう。志ある人材育成は、人材育成の動態的な連続をつくり企業の永続的な発展を導きます。志は、日常の難事を越え、何のために働くかさえも超える人間活動であるといえます。