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経営者と管理者の対話ありますか

経営者と管理者の対話の時間は、実際は殆ど取れていないというのが実態です。経営者は、若い人たちや社員と話をする必要があるということで、そういう機会はつくります。そして、そこに管理者も同席させたりさせなかったりいろいろです。しかし、経営者が管理者と一対一で対話するというのは、発生した問題に対してはあるかもしれませんが少ないです。

管理者の判断能力を高めていくうえで、ぜひ考えていただきたい点です。管理者自身が、どの点に行き詰まりを感じているか、若しくは、これから成長するために何が足りないかについてです。私は、管理者を個別にご指導させていただいています。私と一対一ですから、緊張もあるでしょうが、回数を重ねてくると心を開いてくれます。そうなると成長のポイントが見えてきます。

管理者の何が成長のネックになっているかと言えば、一つは、管理者の判断軸が何時もフラフラしているという点です。つまり、こういう着眼で判断するという軸が未成熟なために判断が経営者とはズレます。これは色々な事に表れます。なぜ、判断軸がフラフラするかと言えば、経営者とは情報の質量も違いますし、最終責任者ではないために甘さも当然ありますが、そういうことよりも、その経営者との過去に話をしてきたイメージが離れないのです。

つまり、以前に、経営者からこうしろと言われたので、そのようにした。しかし、上手く行かなかったら、なぜこのようなやり方をしたのかと叱責され、責任まで言及されたとします。この体験は、管理者を臆病にしてしまったのです。つまり、判断の軸が経営者の顔色です。経営者は管理者に対してノーという否定から入ることが多いです。しかし、社員に対しては、否定から入れば辞めてしまうので、まず肯定という認める行為を意識した対応をします。

経営者は、管理者がいなければ経営ができないということは嫌というほど分かっています。また、管理者が身近で頼りになる存在ということも理解しています。だから、どうしても、そうではないという否定から入りがちです。もちろん、管理者全員に対してそうだというわけはありませんが、管理者の未成熟さが問題と共に経営者に飛び込んでくるので、ついつい否定的な対応をしてしまいます。実際、否定せざるを得ないことが多いかもしれません。しかし、それでは何時まで経っても同じことの繰り返しですから、時々、対話の時間をもって判断軸の大切さをほぐして欲しいのです。

次の成長のネックは、管理者が、自分を都合よく見せている点です。本当の事と報告する事の食い違いとか、ウソとまでは言えないがやっていないのにやっているという言い方をするというようなことです。これらは、自分の現在の役職という位置を考えれば、実態が明らかになれば、自分の評価が下がるという不様なことになるという懸念からついつい飾ってしまうのです。組織で働いていればやむを得ないだろう言う見方もあるかもしれませんが、一番問題なのは、こういうことを繰り返していれば管理者本人が、自分はどうあるべきか、なぜこういう言動をしてしまうのかに気づかないことです。むしろ、失敗して自分の実像を見て、そこから立ち上がる方がよほど早道です。つまり、騙し騙しでは管理者の伸びが遅れるということです。

ここで申し上げているのは、経営者が管理者と対話して指導するというよりも、組織で管理者として働くうえの安心感というのは社員と同じです。このような組織の心理的な安全性は、経営者と若い頃から寝食を共にしてきているような場合は太いパイプがあるのに対して、そうでない場合は、繋がりのパイプが細いことが多いです。この経営者と管理者のパイプの有り様は、管理者と部下の関係にも投影しますので、時々は、経営者が声をかけて管理者と対話をしてみることが大事です。

なかなかそこまで面倒は見切れないという気持ちも分かりますが、組織規模が伸びてくれば管理者でも会議以外で経営者と対話する時間など皆無です。一年に一回でも良いです。本気で話せば分かるのが管理者です。この人たちが、本意で行動したら、かけた時間など問題ではありません。いくつも成果の出た事例があります。