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【もう一度初心を取り戻す!】年末の今やるべき”振り返り”レッスン

12月も終盤になり、師走の慌ただしさが本格化してきました。この時期になると「今年1年はどうだったか?また来年はどうしようか?」と、振り返り・計画をする人も多いでしょう。
その中で、意外と自分では気づきにくい”初心”の振り返り。変化は成長の証でもありますが、停滞の原因になっていることもあります。
初心を定期的に・正しく振り返ることが、成長を大きく後押ししてくるtipsだということが、ある調査で分かりました。

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「初心の振り返り」に関して、勤め先の事業部の目標を達成した社員、未達成の社員にそれぞれ実態調査を行いました。¹
その結果、目標達成した社員の”8割” が「初心を振り返り」を実施していることが判明。これは目標が未達成の社員よりも、19ポイントも高い結果でした(!)
そして、目標達成した社員の”9割”が「仕事に行き詰まった時にこそ、”初心”を振り返るべき」と勧めました。この結果からいかに職業人生において初心を持ち続けることが大切かよく分かります。

初心を忘れてはいけない本当の理由

「初心忘るべからず」の言葉を生み出した、能楽の大家である世阿弥。
彼は、650年前にそれまでの能をイノベーションして、能を芸術にするために著作を表しました。
その代表作『花鏡』の中に有名な「初心忘るべからず」があります。
誰もが一度は聞いたことがあるこの言葉の意味は、私達がなんとなく理解しているものとは少し異なるようです。

✔ 普通に考えられているような”最初の志”ではなく、未熟であった時の最初の試練や、失敗こそが、”初心”という言葉の本当の意味である

✔ 世阿弥にとっての”初心”とは、新しい事態に対処する時の方法であり、試練を乗り越えていく戦略や心がまえのことである

✔ 世阿弥は三つの初心、つまり試練の時があると教えている

✔ 最初の初心は、若い時の初心である。次に、人生のそれぞれの時にまた初心がある。そして最後に老後の初心がある²

「老後の初心忘るべからず」の言葉は、60歳からの働き方についてなくてはならない精神性です。高年齢のときにこそ初心はあるべきものです。余生という人生の残りの発想ではなく、老いと共に自分の役割を考えることが初心なのです。

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そして、”人格”は練磨を繰り返して繰り返してこそ、磨かれていくものです。人格を磨くうえで、人との出逢いは万巻の書物にも勝ります。人生は出逢いだとつくづく感じる人も多いでしょう。

「人間は一生のうち逢うべき人に必ず逢える。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に」

『森信三語録』致知出版社

人材育成は、心の成長発展を共に育み合う過程です。
上記の言葉は「逢うべき人に必ず逢える」という必然性を教えています。これは単純な情緒的表現ではなく、現在出逢っている人を”その出逢い”だと感じ取れるか否かが大切なのです。
人材育成は大きな出逢いを経て始まります。同じ会社で働くとは、縁という言葉でしか説明がつきません。その出逢いを将来に向けて育んでいくなかに、目の前の人を育てることの必然性があります。偶然と思うような出逢いであっても、必然の出逢いとして受けきるのです。
出逢いの意味が肚に落ちれば、人材育成は加速します。

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本文の続きは、弊社冊子『先哲に学ぶ人材育成~十二観抄~』よりご覧いただけます。
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【引用】
¹ (株)オージャスト 初心の振り返りに関する実態調査https://x.gd/rOH8x
² ✓項目(4つ全て):土屋恵一郎『世阿弥の言葉』岩波現代文庫