末永ブログ
【なぜ社員が離職するのか?】人事のお悩みポイントを徹底解説!
2023年3月23日
人事に関する「①働く人の価値観の変化」「②働き方の変化」「③採用の変化」「④定着の変化」がスクラムを組んで経営を揺さぶっています。
人事のこの変化はただごとではありません。
「社会の変化」によって「働く人の価値観の変化」が起こり、またこの価値観の変化と共に社会もまた変化します。人間社会である以上は価値観の多様性は常にあるものです。しかし、昨今の多様化は従来とは比較にならないほどの幅広いものとなっています。
本記事では、「定着の変化」について取り上げます。
「定着の変化」で言えば、前述したように働く人の会社や仕事に対する見方が変化していることもありますが、採用の時と働き始めた時とで新入社員もキャリア社員も感じている印象が違うことが見受けられます。
社名と上手なプレゼンに魅力を感じて入社してはみたものの、あまりの落差に愕然とするのでしょう。
例えば、仕事の中身や仕事の指示の仕方、仕事そのものの方法があまりにも”昔的”であるといったことがあります。
「とにかくやろう、やっているうちにわかる」あるいは「それくらい我慢するもの、少し我慢が足りないね」といった話が出ます。
そういう企業で良いのだろうかというのが私(著者:弊社代表)の問題意識です。
入社した段階で、「この会社でずっと働くつもりはないと考えている人」と「ずっと働いても良いと考えている人」の割合は、私の直感では後者のほうが多いと思います。
しかし、それが働くにつれて「働くつもりはない」に変化してくるのでしょう。
その理由は、
・仕事していても認められ感がない
・同じ仕事のやり方で変えた方が良いことをそのまま続けなければいけない
・あまりにもハード過ぎる
・会社の中でできていないことがあっても、それを改めていこうという動きがない
・幹部、管理者が口ばかりの人が多い…などでしょう。
マイナビ転職「新入社員の意識調査(2022年)」によると、
「今の会社であと何年くらい働く?」という問いに、「5年以内」という回答がなんと4割超。
このような点を感情的に「一人前でもないくせに」「仕事ができるようになってから言え」「俺もそう思うけど仕方ない」というように切り捨ててしまわずに「改める」という前向きさがあれば、随分と定着の結果は異なります。
それに採用後の”仕事の習熟”を高めるための方法を見直していくことは、人材成長の可能性を高めるためにも必須なのです。
私は、経営コンサルティング会社の経営助言を数社していますが、経営コンサルタントを育てることは非常に難易度が高いものです。
しかし、これもプログラム化すれば成長の道筋が見えるため、「このレベルまでこうすれば到達できる」というイメージが湧きます。結果としてそれが自力で学習することにつながるのです。
今回は定着の変化について取り上げましたが、冒頭でも述べた「4つの変化」がスクラムを組んで経営を揺さぶっているのが現状です。
当然、経営者は誰でもこうした社会の変化にどう対応するかを考えているはずです。
ところが、どこに着眼して対応するか、人事セクションに指示しても「そのポイントがなかなか見出せない…」というのが実情ではないでしょうか。
そうであるからこそ、人事のあり方の次元を変えたレベルで見直しが必要となるのです。
「強くて優しい会社 ―人と組織の潜在能力を活かす、現場の人事デザイン」本書より一部抜粋。
クロスメディア・パブリッシング(著者:弊社代表 末永春秀)