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SUENAGA Blog
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社員300人までの人事制度の組立方

これは社員数300人までの人事制度の組み立てを考察したものです

1 人事制度の実態、そこからがスタート

2 人事専担者を育てることが将来を作ること

3 「部分」を寄せ集めた人事にすると、先々、行き詰る

4 理念なくHRシステムを導入しいない

5 組織の課題に正面から向かい合う人事にする

 

1 人事制度の実態、そこからがスタート

どのような形であっても一応の人事制度といえるものはあるはずです。

例え就業規則と賃金規定と人事考課様式と時々の面談だけでも人事制度で

す。それは、随分以前に作成した人事考課シートを作っているかもしれま

せん。賃金規定があるけれども実態と適合していないのかもしれません。

経営者からは、それを早く改定するように言われていてそのままになって

いることはあるものです。これなどは基本的なチェックリストがあります

から、それでチェックしてみれば直ぐに課題は浮かび上がります。しか

し、チェックで終わってしまって、結局、手つかずのままで目の前の忙し

さに追われてしまっていることは多いことです。むしろ、これこそが最も

大きな人事制度の運用課題とも言えます。

 

2 人事専担者を育てることが将来をつくること

この規模では、総務部や経理部に人材が育っていることは比較的多いです

が、人事課はまだ存在せず人事専担者が育っていることは少ないです。人

事専担者がいないわけではないですが、殆どが、総務部との兼任が多いの

が実態です。何故かと言えば、これまで人事と言えば採用と研修と人事考

課の集計ぐらいが基本業務だからです。しかし、ここに来て本格的に人事

専担者が必要になってきて、外部からキャリア採用を試みても思うような

人材がなかなか得られません。仮に得られても企業風土や企業文化が合わ

ずに退職するケースも多くあります。なかなか規模に応じた人事制度の必

要性は痛感しても制度構築にまで至りません。最低でも5年かけて育てて

下さい。社内からの異動、若しくは、ベテランの人事業務経験者ではなく

若手で人事未経験者でも感度の良い方であれば適応します。5年位で何と

か育つのかと思われるでしょうが、まずは、3年で外部からの支援があれ

ばある程度のところまでは育ちます。もちろん、本人には相当学習しても

らいます。過去に何社も例があります。

 

3 「部分」を寄せ集めた人事にすると、先々、行き詰る

ここで「部分」というのは、人事考課、賃金、人材育成、能力開発など

が、その時々の必要性に迫られて組み立てられていますが、それが一貫し

たものではないということです。これによって、どういうことが起きる

か。人事考課と人材育成が連動していないので人事考課を行って人材育成

と連動すると言ってはいるが実態は形式的なフィードバックに終わってい

るようなことです。つまり、人材育成はあくまで現場主義で、人事考課と

の関係はそれほどなくて人事考課をしていて、一応、考課のフィードバッ

クはしているというようなことです。このようなその時々のその場しのぎ

でも業績さえ上がっていれば何とかなっているように見えますが、問題は

人材の底上げができないことが数年後に表面化します。人事制度は社員が

仕事をすることについての羅針盤です。羅針盤の存在価値は大きくて、そ

の羅針盤の方向に社員は動きます。

 

4 理念なくHRシステムを導入しない

HRシステムを導入している企業は人事考課がシステムのうえで効率的に

対応できるし人的情報と連動しているので便利であると言われます。反

面、HRシステムは人事制度を組み立てるものではないとも言われます。

私はHRシステムに反対しているわけではありません。それよりも大事な

ことは、HRシステムをゴールとしてしまって人事はそれで事足りるよう

にしていませんか。それを問いかけています。つまり、何のためにその情

報システムを入れるかはどの分野の情報システムも同じことです。人事制

度は、社員が働く羅針盤であり、その根底にある人事制度の理念や目的こ

そが社員を育てる指針です。経営は人が全てです。その人は人材育成こそ

が重要です。HRシステムの良い所を取り入れて人事制度の一部とするこ

とが必要です。

 

5 組織の課題に正面から向かい合う人事制度にする

人事制度を組み立てるうえで組織の課題はどのような点にあるか整理して

ください。コミュニケーションに課題があるのか、管理者のレベルに課題

があるのか、人事考課が仕事の現状に適合していないのかなどの課題を整

理してください。多分、これら全部が課題でしょう。これと人事制度の組

み立てと深く関係します。なぜなら、この課題は、人が増えるに応じてま

すます大きな課題となるからです。この課題を踏まえて、今後の人事制度

をどのように改善すべきかを考察しなければいけません。例えば、管理者

に課題があるとすれば、人事考課の要素を改定しただけでは人事考課は軌

道に乗りません。だからと言って管理者全員が一定のレベルになるには時

間がかかり過ぎます。そこで管理者の育成を何らかの形で本格化させなけ

れば人事制度という仕組みだけを組み立てて運用しても軌道に乗りませ

ん。そのために管理者の役割を整理する必要があるのか、それとも管理者

の上司層にアプローチをすべきかを考察する必要があります。そして、そ

れに対しての施策を段階的に講じることも人事制度の組み立ての中の重要

な一つになります。